私は今、都内随一の魔窟と呼ばれる「コー・エンジー」に来ている。ん?何故そんなところにいるのかって?決まってるじゃないか。ゴキゲンなオモチャを見つけ、マイコレクションをさらに充実させるためさ。そのためならばどんな苦労もいとわない。
彷徨い歩いているうちになにやら妖しい場所に迷い込んだようだ。どうやらここはフィギュアタウンと呼ばれているらしい。しかしこんな場所に本当にゴキゲンなオモチャなどあるのだろうか…
このままではらちがあかないので、通りがかりの少年に尋ねてみた。
「ねえ君、この辺にゴキゲンなオモチャを扱っているところはないかい?」
少年は一瞬怪訝な表情を見せ、少しの間を置いてからこう言った。
「…ついて来な。」
私は少年の後に続き、怪しげな建物の地下へと続く階段を降りていった。