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Gecco×豆魚雷『ベルセルク/ ガッツ 1/6スケールスタチュー』原型制作を振り返る座談会 第三回

            
どうも、原田です!

ベルセルク/ ガッツ 1/6スケールスタチュー ロスト・チルドレンの章 黒い剣士Ver.



原型制作の日々を振り返る座談会、本日で第三回です。
お金の生々しい話です……。

第一回はこちら
第二回はこちら

それでは、どうぞ。

※  ※  ※

原田:値段は最終的には、税込で39800円というところになりました。雷電やスネークからすると、相当上がってしまいました。

Gecco:高くなる原因のヒントとして、金型の面数がわかりやすいかと。雷電の金型が当初19面といわれたのを、レイアウトをやりくりして17面に収めたんですよね。
で、ガッツがなんと23面。情報量やディテールの密度が雷電とは違うと思われるかもしれませんが、実はガッツの方がすごいことをやっています。
金型の値段って、一面あたり何十万って世界なので。雷電のときは金型代で中古マンションを買える状態で、ガッツだと安めの新築のマンションが買えるっていう。

原田:ははは……。

Gecco:最終的には23面を何とかまたレイアウトをやりくりして、20面にしましたと。それでも相当なコストがかかっています。当然さらに、彩色や生産単価も相当上がって(泣)。

原田:はじめは、24800円狙ってたんですよね。それでもお客さんは許してくれるかなって、けっこう悩みましたもんね。本当は二万円台後半とかにしたいけど、お客さんの心情的に前半に押さえておくべきなんじゃないかって。ところが旧正月が明けて、見積もり出てひっくり返った。到底それどころの話じゃなくて。

赤尾:大変ですねえ。大変ですねって(笑)

Gecco:中国の値段の上がり方がついにここまで来たかと頭抱えて。でもまあ、それだけのことをやっちゃってますから。写真では伝わりづらいかもしれないですけど、全体のボリュームが相当すごいことになってるというのと、甲冑とかシンプルに見えてかなり複雑な分割になってるんですよね。
腹の留め具を分割したりですとか、細かいディテールは分けてしまってパーツ数ももちろん多いですし、マントだけで金型一面、「使徒もどき」が入ってない台座だけで金型一面、上半身の甲冑だけで金型一面とか……。どうしても原価が上がってしまいますという。かといって原価を抑えるために、分割を極力減らしてマスク型で塗装して、精密感が失われたらそれこそGeccoがやる意味なんてない。

原田:もちろんコストをカットできる部分はしたほうがいいですけど、クオリティとか面白みが落ちるコストカットをするというのはGeccoではないということですね。コストカットといってもあの、例えばGeccoさんって、上京するときは必ず夜行バスで来るでしょう、帰るときも。東京大阪間2500円の、そんな金額で行き来できるのかっていう。

Gecco:たまに贅沢をして、3列シートにしますが(笑)。コストをカットするといってもまあそんな、新幹線使わないとかカプセルホテルに泊まるとか、そんな程度ですけども、モノを犠牲にするようなコストのカットの仕方はしたくない。中国にマンション借りたのもホテル代を少しでも浮かせるためですし、せいぜいそういう。

原田:マンション住まい、僕は意外と平気だったのでまあ大丈夫ですが(笑)。コストにおいて、自分の身はいいとして、モノは最大限にはしたいですもんね。

Gecco:うん、ベースにしても、使徒もどきをなくしてただの黒い平べったいABSの丸にしておしまいにすることもできるわけです。が、このガッツというモチーフに対して果たしてそれが求められてるのか。それ以上に僕らが求めているものではないんですよね。やはり世界観は出さないとこれに関しては意味ないし、付け替えヘッドも思いついたらやらないと気持ち悪いと思うんです。

原田:はい。

Gecco:雷電もね、発売した後は有難いことに皆さん「これなら安い」と言ってくれましたけど、発表の時点では「高い」って言われてて……。
それでも1/6のスタチューの相場感というのがあるから、お客さんの心理を優先して価格付けして。雷電は赤字だと分かって生産していたというね。
生々しい話になりますけどこれはもう、言っちゃうべきなんですかね。
今後値段が上がっていく状況の中で、じつはもっと価格を上げたかったけど、いきなり大幅に上げるわけにいかないんで、段階を踏んで上げざるを得ないっていう。
なので、これでもガッツはかなり価格を抑えたつもりなんですよ。

原田:ガッツは現状こんな高額に見えてはいるけども、それでも相当頑張っているんだと。
……伝わってほしいなあ。言い訳っぽいけど、そうじゃないのがね。

Geccoガッツも、赤字覚悟になってます。
お客さんは興味のない所なので言い訳でしかないですけど、色んな所で値上がりしていってるんで。雷電の頃よりも、ガッツはさらに生産の値段が合わなくなってしまっていて、値段上がってしまって申し訳ないんですが、その代わりにお手元に届く製品が凄いクオリティになるよう、頑張ります。

原田:フィギュアはもはや、ビジネスとして成立させるのが難しくなってしまってるんですね、特に日本では。日本のメーカーがハイエンドをやるのは至難の業で、それでも踏ん張ってるメーカーさんもありますけど。基本好きで、それも本気の好きでないと成立しないような状況に変わってるんですよね。儲けようと思ってたら、ほかの事をしたほうがいい。赤字だとわかってて走るということ自体、企業としては間違ってるわけですから。……そこの自覚はあるんですよね?

Gecco自覚というよりは、覚悟(笑)。

赤尾心配になるようなことばかり言いますよね。

原田:(この人は)ある意味仕方ないので、まあ……。とにかくいろいろな状況があるなかで、Geccoとしてはこういう選択をして。

Gecco:高いと思われるなあというのはわかりつつ、これでも精一杯の価格設定……であるとか言いながら、パックの話をすると、いらん事をせんでいいって言われるんですかね?

原田:パックも、Geccoさんこだわってましたよね。

Gecco:はい。あれは僕のわがままを通させて貰いました。

原田:最初からですもんね。

Gecco:最初からこれだけはやりたいって言ってました。


腰のポーチの鞄をめくると、パックがいる。Geccoさんはこれを断固としてやりたがった。

原田:色々とガッツが遅れるなかで、少しずつ形になってきてゴールが見えてきて、パックの制作って相当あとだったじゃないですか。

赤尾:相当あとでしたね。

Gecco:原田さんと僕の間でかなり意見が分かれたんですよ。もう、パックは要らないんじゃないかって。

原田僕はもう早く原型を完成してしまいたかったんですよ(笑)。要らないとは言わないですよ。ただ色々と心配事があって。

Gecco:そんな色々ありながら、赤尾さん的にはどうでした?作りたくないなとかありました?

赤尾:いや、そんな事はなかったですよ。僕も最初から聞いていて、ありだと思ってましたから。

Gecco:原作の持っている雰囲気の中で、パックって重要と思ってたんですよ。
ダークファンタジーですから鬼気迫る、胃が痛くなるような殺伐とした話じゃないですか。
救いのない話かと思うんですけど、パックのようなコミカルキャラって原作でもいいスパイスになってるなと思って。

原田:パックがいるおかげで、ずいぶんと読みやすくなってますよね。

Gecco:なので、その雰囲気をフィギュアに落としこめたら面白いかなと考えて。
フィギュアも明らかにダーク系に振ってるじゃないですか、足元の使徒もどきの死体とか。
そこに、コミックスでしかできていないことを、立体で表現したいなと。
もちろんくりパック好きだし、というのもあります。

原田:結果的には、パックがすごく可愛くて。

Gecco:はい。意外と赤尾さんは可愛いもの好きだというのもあって。

赤尾そうですよ。

Gecco:意外とっていうと失礼なんですかね。パックも狙い通りドンピシャで作って頂いたので。

原田:パックは早かったんですよね。二日ぐらい?

赤尾:パック自体は半日もかかってないですよ。

Gecco:夜に方向性を話して、次の朝には見せてもらいましたから。
これで仕上げて終わりですって。もうガッツ本体に決着が付いた安心感もあったんですかね。

赤尾:どうでしょうねえ、元々スペースに制限があるので。

Gecco:やれる事が決まってるからいうことですか、なるほど。

原田:足元に死体を転がそうって言ったのは誰ですか?少なくとも僕ではないです。

Gecco:じゃあ、僕ですか?でも、いつものパターンだと僕なんでしょうね。

そうそう、シチュエーションが無いっていう話だったんですよ。
普通の地面っていうか、イメージとして中世ヨーロッパって感じでしょう。
あぜ道を作っても面白くないし、ロスチルと言えば妖精の森じゃないですか。
それで森っぽくしようって言って、赤尾さんから木の根っこのウネウネを提案頂いて。

そしたらいつものド定番で、じゃあ死体を転がしましょうとなって。
使徒もどきで分かり易いのがカブトムシとカマキリなんで、あれを人間に戻した状態にしましょうという。
デカイ普通のカマキリのままよりは、造形的にカマキリ人間の方が面白いかなという感じで。

原田:カブトムシの方は、一発で決まってたんですよ。カマキリは割とあれこれやりましたよね?

赤尾:やりましたね。

Gecco:でもカマキリって早くなかったですか?腕の角度だけ悩んでいたような気がするんですけど。

赤尾:顔はそうでもなかったですけど、ベースへの埋め込みをどれだけ溶け込ませるかとか。

Gecco:あとは左腕の処理が決まらなかったですね、立たすか寝かすか。


手の角度がなかなか決まらなかった。14年10月7日時点。

原田:手の変形具合もどれぐらい人間に戻すかとか迷ってましたし。あとは、竹谷隆之作のエイリアン4のね、エイリアンベースをヒントにして。
お二人に見せたんですけど、覚えてらっしゃいます?

赤尾:ええ、覚えてますよ。


竹谷隆之氏作・ニューウォーリアーエイリアンのベース

原田:ああいうグチョグチョ感がほしかったなと思って。
最終的にはあれよりも、ガッツのベースの方が好きになりました。

あと、全体的に木の根っこを張り巡らせてほしいって話で。
はじめ大小織り交ぜて、ベースの途中までで終わってたんですよ。
全体に張り巡らせませんかって言ったら、赤尾さんがひどくげんなりしていた記憶があります。


これを全部やり直させた。鬼畜。

Gecco:ははは。

原田はああっ、みたいな大きなため息をついて(笑)。

Gecco:またやるのか、みたいな。

赤尾:そんなことないでしょう(笑)。

原田:けっこう大きなため息をついていたような記憶がありますよ。


最終的に、ベースはこのようになりました

Gecco:最初の頃は、まだ木の幹も大きかったんですね。
カマキリ男がうまく入らないで、ベースに沈める感じにしたんですよ。
アメリカに行ったときに、レリーフ状にして台座に埋めましょうって話をしまして。

赤尾:それは原田さん最初から言ってましたね。

原田:一体化させて欲しいって言ってましたね。
乗っける感じじゃなく、溶け込ませてほしいって。
最後まで塗装も溶け込ませるイメージをしてたんですが、工場の方でパーツを分割してしまったがために、今のような彩色になったと思うんですが。

Gecco:厳密に言うと、そうなのかな。イメージ的なペイントにしようと言ってたんですけど。

原田:下の方は台座に溶け込んでるみたいなね。

Gecco:ただ原型上がった時点でもったいないなと、腸とか凄いんで。
これをキッチリ塗ったら凄いなと話をしていて、工場分割が意図せず分かれてきたんで、だったら綺麗に塗り分けましょうって。
だから土肥さんに彩色を依頼する時点で、その分割の件を説明したんですよ。

この工程、補足いれないと分からないですよね。
普通は色を塗ってから工場原型の分割をするんですけど、ガッツはイレギュラーで、先に原型段階で分割を進めて金型に入ったんです。なので、工場も当然塗り分けると思ってたのかなと。

原田:途中のベースこれですよ、違いますねえ。
これでもいいんですけど、これにカマキリとカブトムシ転がすのは非常に難しいですよね。

赤尾満杯ですよね。


満杯。14年9月13日時点。

Gecco:よくもまあ、この小さいベースに入れたなと。
それでカマキリをはみださせてって話になったんですね。

原田:いやあ、色んな経緯があったなぁ。

Geccoそりゃ、ロングロングストーリーですからね。

次回に続きます!

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ご予約受付中です!後悔はさせませんので、ぜひ!
ベルセルク/ ガッツ 1/6スケールスタチュー ロスト・チルドレンの章 黒い剣士Ver.

よろしくおねがいいたします!

◆原田プリスキン◆


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