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【第二回】豆魚雷のAmazing Artist Collection Vol.7/ 『Survival:01 Killer』 作者・大畠雅人さんロングインタビュー

            

昨日電撃的に発表となり、大きな反響を頂いております「豆魚雷のAmazing Artist Collection」第七弾、「Survival:01 Killer」。

 

 

Amazing Artist Collection vol.7/ 大畠雅人: Survival:01 Killer

 

この「Killer」にはじまるオリジナルフィギュアシリーズを展開する新星・大畠雅人さんはいったいどんな方なのか?

2時間にわたりお話を伺ったロングインタビューの、本日は第二回になります。

 

第一回はこちら

 

それでは、第二回目をどうぞ。ついに造形の世界に飛び込みます。

 

※  ※  ※

 


黒須:でも、そんな演劇から抜け出したきっかけっていうのは?

大畠:まあ単純に食えないので、転職活動しようと思って。のちに結婚するんですけど、当時付き合ってた彼女が大学の卒業生のポートフォリオ特集みたいな冊子を持ってきて。

原田:はい。

大畠:その中にボークスの原型師として就職した学生の作品が載ってて、原型師という仕事があるのかと。それで興味を持ったんですよね。原型って粘土で作るのか、「そういえば小さい頃好きだったな、粘土」みたいな。

原田:小さい頃。どのくらい小さい頃?

大畠:幼稚園くらいの頃。

原田黒須:ハハハハハ!

大畠:幼稚園くらいの時、そうなんですよ、言い忘れてました。冬はこたつでずっと粘土遊びしてました。悟空の胸像とか作ってました。

原田:油粘土みたいなやつですか?

大畠:そうそう、ああそういえば好きだったなと思って。

原田:そこまでさかのぼるかなあ、これから肝心な就職をしなけりゃいけないって時に!

黒須:それを思い出して、「じゃあ原型師になろうか」って思ったってことですよね?

大畠:そうですね。まあ、原型師って仕事自体よくわからなかったんですけど、その人はこういう物を作ってこんなところに就職したんだっていうのを見て、現実に、具体的になったっていう。ああ、こんな仕事があるのか! みたいな感じです。

黒須:それまでは、油絵って二次元のものだったり、演劇をやっていたりで。それで急に原型のところに飛び込むって……(笑)。

大畠:でも、そんなに差ってない気がして。結局デッサンが出来れば大丈夫なんじゃないかって、例えば竹谷(隆之・※)さんもすごい絵が上手いし。あまり二次元と三次元の違いってのは、壁だとは思わなかったです。

 

(※竹谷隆之さん……言わずと知れた、日本を代表するフィギュア作家・造形作家。)


原田:大畠さん的には、特に違いないでしょうっていう意識だったんですね。

大畠:なかった、っていうか、こっちの方が逆に楽しかったです。答えが出るんで、向いてるんじゃないかと思って。例の油絵の、答えがない地獄がずっとあってトラウマだったんで……。

原田黒須:(笑)

大畠:石膏デッサンは大好きだったんですよ。自分の努力で描いて似る。似れば褒めてもらえる。それをやればいいんですよね。だから原型師って仕事はきっと僕にとって精神衛生上いいと確信しました。


原田黒須:へええええ。

大畠:闇雲に作らなくていいんだ。真っ白いキャンバスに何も生み出さなくていいんだ、と。これを作りなって言われたことを作ればいいっていうのはもう、幸せでしかなかったんで。

原田:じゃあ、初めから原型制作会社の募集があったってことなんですか?

大畠:えっと、アルバイトを知人に紹介してもらって。最初にポートフォリオで、ドラゴンボールとかHUNTER×HUNTERとかのフィギュアを試しに作ってアルバイトの面接に行きました。

原田:完全にキャラクターフィギュアの会社に入る為の対策ですね(笑)。

大畠:そうそうそう(笑)。

原田:素材とかはどうしたんですか?

大畠:当時は全然わかんなくて、スカルピーとポリパテのチャンポンで作ってましたね。スカルピーの上にポリパテ盛ったり、今考えるとそれはもうヤバイことしてました。

原田:(笑)。入ろうと思って、いきなり粘土で作品作って行くって、すごいですよねその流れが。

大畠:「レプリカント」(※)って本に書いてあったんで、作り方が。

 

(※レプリカント……竹書房刊。不定期に刊行されているフィギュア専門誌。)

原田黒須:「レプリカント」!

大畠:その面接の時に、「社員になるつもりはあるの?」みたいなことを聞かれて、考えてもなかったけど「あります!」って言って、そのときは「あ、そう」みたいな感じで普通にアルバイトとして採用されました。

原田黒須:ほうー。

大畠:そしたら半年後、社員にしてくれて。

原田:そうだったのか。筋がよかった、っていうことなんですかね。

大畠:いや……うーん。

原田:その半年間っていうのは何してたんですか?

大畠:キャストを反転したり、パーティングラインを消したり。抜きっぱなしのキャストを綺麗にするみたいな、そういう仕事を半年間やってましたね。

原田:じゃあ実力を見られたというよりかは、人間性を見られてたんですかね?

大畠:そうそう、ホントそうです。あの、コミュニケーション能力(笑)。

原田黒須:(笑)

大畠:多分そうだと思いますね。で、その会社を辞めてフリーになって、今に至ると。

原田:ちょっと待ってください、今に至っちゃだめなんです(笑)!

大畠:あ、はいはい(笑)!

原田:社員になってもそれからこう、色々と段階を踏んでいくと思うんですよ。

大畠:はいはい(笑)。2013年の4月に社員になりまして。

原田:4年前じゃないですか。

大畠:そう、4年前ですね。会社にはちょうどまる4年居ました。

原田:社員になったら、なんかちょっとしたパーツ作ったりとか?

大畠:その会社は当時デジタル原型師が16人くらいいて、あと6人の手原型のチームがありまして。その手原型の6人っていうのが憧れだったんですよね。それぞれ個人のブースを持っていて、そこで作業してるって感じも職人っぽかったし。

原田:うんうん。

大畠:こんな人になりたいと思って、「手原型のほうに行きたいんです」って言ってました。ただそんな中で、僕のこと社員にするって引き上げてくれた上司の方がいたんです。それでその人の所属しているデジタルチームに配属になりまして。すごく有難かったし恩人なんですけど、ああ、でも手原型やりたいなあっていうモヤモヤもありつつ、デジタルをやることに。……デジタル、すぐ眠くなるんですよね、なんか。

黒須:(笑)なんでですか?

大畠:パソコンの前で結構こう……手でね、実際に持ってこうやってるのと、パソコンの前でやってるのとではちょっと作ってるって感じがなくて……。

黒須:ああー。

原田:待ってくださいよ、まずシリコンやってどうのこうので半年経って社員になって、そこからすぐデジタル造型部?

大畠:に入りました、そのまま。

原田:ソフトの使い方とか……

大畠:は、教えてくれたんですけど、二日くらいかな? 教えてくれたのは。

原田黒須:(笑)

大畠:あとはもう……

原田:使って覚えろと。

大畠:はい(笑)。それでも出来るくらいの仕事を与えてくれるんですよね。時間をかけていいから、覚えながらこれをやってねみたいな、簡単な仕事を。それはすごくありがたかったですね。時間をかけてソフトの色んなボタンを押しまくったりして覚えていく。それで、どうしても行き詰ったら隣にいる先輩に教えてもらう。それで一個一個クリアして、フリーフォームっていうソフトをまず最初に覚えました。

 

原田:前に藤本さんからちょっと教えてもらいましたけど、触感型のソフトってやつですね。

大畠:そうです、当時はフリーフォームがメインでした。デジタル原型を初めてやる人にとってはすごくいいツールだなと思いましたね。ファントムっていう、直接立体的な仮想空間に触れるペンタブレットを使うんですよ。

 


原田:全然想像出来ないんですよ。あまりにSFすぎて。

大畠:多分一回触ればすぐわかると思うんですけどね(笑)。多分今から3Dを始める原型師さんはZBrush(※)から始めて、メッシュの構造を覚えて……とかポリゴンから始めると思うんですけど。そういう人達、特に粘土をやられてた方がポリゴン(※)に入るともう、大混乱になっちゃうと思うので。ボクセル(※)っていう、粒の集合体で作るっていうものから入れたのは時期的にすごくありがたかったかなって思いますね。

 

(※ZBrush……デジタル原型師に広く使われている画像処理ソフトウェア。3Dモデリングではかなり標準的に使用されている。)

(※ポリゴン……物体を構成する多角形の面。これを無数に組み合わせて3Dモデリングを行う。)

(※ボクセル……立体を形成する立方体(の集合)。ピクセルの3次元版というとわかりやすい?)


原田:へええ。最初からZBrushをいじるよりも、フリーフォームの方がいい?

大畠:デジタルに慣れるっていう意味ではすごくよかったと思いますよ。

原田:普段会社ではデジタルの仕事をしていて、粘土はいじらないわけですよね。

大畠:そうです、会社ではできないので家でやってました。上手くなれば手原型の方に異動させてもらえるかなと思って。それで、家では手で、会社ではデジタルっていう環境が2年くらい続いて。そしたら、会社の先輩の原型師さんが先生を買って出てくれて。僕が原型を教わりたいですって言ったら、「よし、じゃあ朝5時に会社に来い!」って言って。 その方も5時に来てくれて、教えてくれるっていうのが2年くらい続いたんです。

原田黒須:えー!凄い!

黒須:師匠じゃないですか!

大畠:師匠です。本当にね、頭上がらないです。この本を参考にしろとか、骨格の流れはこうだろうとか、色んなことを教えてくれて。

原田:「やっぱ大畠は見どころがある!」的な。

大畠:いや、どうでしょう……(笑)。

原田黒須:(笑)。

大畠:僕がいなくなっても常に誰か教えてます。今もきっと誰かを教えてると思いますよ。

原田:塾開いたらいいかもしれないですね(笑)。

大畠:ほんともう、そう思います(笑)。でも本当、感謝してます。師匠ですね。

黒須:話を聞くとこう、原型の期間が短い……。

原田:そうそう、もうずーっと造形をやってきてっていうのじゃなくて「一気に!」という感じがありますね。

黒須:一気にこんな素晴らしいものが作れるようになるんだ……っていうのはね。

 


大畠:デジタルあってだと思います。デジタル機器の発展にうまいことこう……デジタルの波がぐーって来た時にたまたま僕が浮かんでたんで、その波が押して上げてくれたっていう意識がすごい強いですね。

原田:謙虚だわ。

大畠:自力で上がってきたとは本当に思わないですよ、パソコンがなくなったら何にも作れないし。色んな周りのタイミングが良くてとは思います。

原田:じゃあ今アナログ造形で勝負している人に対して、若干コンプレックス的なものってあったり?

大畠:もちろんもちろん! ありますよ。アナログですごいもの作ってる人に関しては、もう本当に頭が上がらない。純粋に尊敬します。と思いつつ……。

原田:思いつつ。

大畠:なんかこう……これだけ出力機の質が良くなれば、今アナログしか出来ないという方は一刻でも早くデジタルを覚えたほうがいいとも思います。

原田:おすすめしたいわけですね。

大畠:アナログで上手な方は、デジタルでも絶対上手ですから。

 

※ ※ ※

 

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