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【第三回】豆魚雷のAmazing Artist Collection Vol.7/ 『Survival:01 Killer』 作者・大畠雅人さんロングインタビュー

            

こんにちは、原田プリスキンです。

 

大畠雅人さんによる「豆魚雷のAmazing Artist Collection」第7弾、「Survival:01 Killer」。

 

 

7月14日(金)、20時からの二コ生スペシャルでは大畠さんがゲストで登場します!

大畠さんのことを心配する後輩思いの先輩も、飛び入り参加の可能性が……。

 

どうなるか本番までわかりませんが、ぜひご覧ください!

 

連日更新の全五回にわたるロングインタビュー、本日は第三回をお送りします。

それでは、どうぞ。

※  ※  ※
 

原田:それでは、作品について聞かせてください。最初にちょっと出ましたけど、オリジナルのデビュー作がこの「contagion girl」なんですね。

 

2015年「contagion girl」

黒須:最初がこれって、凄くないですか。

大畠:いやっ……これはいろいろアレなので、次のワンフェスでリメイク版を出そうと思ってます。

黒須:それはどのような形で?

大畠:「サバイバル」シリーズの縮尺に合わせる(※)形で。当時やりたかったけど盛り込めなかった要素というのがあって、それが今できるようになったので、あらためて形にしたいなと思って。

 

(※contagion girlは「Survival」シリーズよりも大きい。)

原田:じゃあ、「サバイバル」シリーズの中に入っていくということに。

大畠:そういうことになるのかな。これには一応思い入れがあるので、やらなければいけないなと。

原田:ZBrushで?

大畠:はい、デジタルで、ゼロから作り直します。

原田:これは正面から見るとそうでもないんですけど、こう回して見るとなかなかエグいんですよね。

黒須:あ、そうなの?

大畠:腕のところが……。

 


黒須:あっ、ああ! なるほど!

原田:これからこの子はどうなるんだ? っていう。その流れで聞いてしまうんですけども。大畠さんの作品の舞台って、ゾンビ世界じゃないですか。

大畠:そうですね。

原田:ゾンビを題材に作品を作っている方ってたくさんいるんですけど、こういったアプローチでゾンビの世界が表現されているものってなかなか見当たらないと思うんですよね。

大畠:そうなんですか?

黒須:ゾンビそのものがメインなんじゃなくて、人間側なんですもんね。

原田:ゾンビ好きの方って“ゾンビ”を作るんですよね。……まず確認なんですけど、ゾンビが好きってことでいいんですよね?

大畠:そうですね、好きです。でも多分、ゾンビ映画からではなくて、ゲームから来てるんですよ。

原田:あっ、そうなんですか。

大畠:この「Killer」を作った時はもうそれこそ、「THE LAST OF US」(以下「ラスアス」※)をやっていて(笑)。

原田:あああ! エリーか!

 

(※THE LAST OF US……SIE(当時SCE)、ノーティドッグ開発によるアクションアドベンチャーゲーム。エリーはメインキャラクターで、十代の女の子。)

大畠:そう、エリーです。だからこのガスマスクを(笑)。最初、ガスマスクを付けたらモロ過ぎちゃうなあと思って外したんですけど、やっぱりこのラスアス好きが我慢できず……最終的に付けちゃいました。

 

(※THE LAST OF USでは、ガスマスクを着用しないと抜けられないエリアがある。)

原田:そうだったのか……。「contagion girl」の時点から「ラスアス」の影響ってあったんですか?

大畠:ええと、これは無かったです。この時は「ウォーキングデッド」かな?

原田:キャロルの娘(※)とか、そんな感じですか。

 

(※ウォーキングデッド……アメリカの大人気TVドラマシリーズ。ゾンビにより世界が終わったあとの世界を描いている。キャロルの娘ソフィアはシーズン2で鍵となる少女。)

大畠:そうそうそう、その辺を作ろうかなと思って。それで第一話の最初で出てくる人形持った子とイメージを被らせて作ったのが「contagion girl」でしたね。

黒須:へええ。

大畠:その後に「ラスアス」をやって、そのままコントローラーを置いた勢いでペンタブに行き(笑)。

原田:(笑)それで「Killer」が生まれたんですね。この「Killer」、なんと表現していいかわからないんですけど、一気に「来たっ!」感がありました。最初に拝見したのはTwitterの写真でしたけど、「うわっ、これは!」と掴まれたんです。

大畠:僕も何か、これでちょっと人生が変わったなっていうのは正直あります。

原田:でも「Killer」って何年前? 2年とかそこらですよね。

大畠:そうですね。えっと、たしか正月に複製してたから……2016年の2月のワンフェスかな。

原田:うわっ、一年半前だ。で、次の夏のワンフェスで「Collector」「Undertaker」でしたか。

 

左から「Survival:02 Collector」、「Survival:03 Undertaker」。

 

原田:そしてその次、今年の2月でこの「Hunter」と「Black Rock City」と「Wind Rises」……。

 

左から「Survival:04 Hunter」、「Wind Rises」、「Black Rock City」。

黒須:まじですか! 一年半でこの作品数?

大畠:会社員だったからこそっていうのもあると思うんですよ。やっぱり家帰ったら、全部自分の時間なので。

原田:「contagion girl」の時は、そんなに周囲の状況は変わらなかったんですか?

大畠:「contagion girl」の時はそうですね、あんまり変わらなかった……。「ええで!」って言ってたのは藤本(圭紀)さんくらいで(笑)。会社の人はまあまあみたいな感じだったような。

原田:「contagion girl」と「Killer」の決定的な違いって、作り方というのもありますよね。

大畠:はい。アナログからデジタル造形に移行しました。

黒須:じゃあ、「Killer」から全部デジタル造形で?

大畠:はい、ここから全部デジタルです。

原田:考えてみたら、このAACでは初めてのデジタルの原型師さんになります。

大畠:そうなんですか? ああそうか、確かに!

原田:ただ、作り方が変わっても「contagion girl」から世界観は通じていますよね。

黒須:こういう世界観にしよう、みたいなのは初めから決まっていたんですか?

大畠:いや、これは本当に「THE LAST OF US」をやった勢いで。自分の中で溜まった毒を吐き出していたみたいな……。

原田黒須:(笑)!

黒須:でも、シリーズものにしようというのは?

大畠:あっ、それはありましたね。だから「Killer」は01という番号がついていて。なので本当は「ラスアス」だから、次はおじさん作ろうと思ってたんですけど……。

原田:ジョエルですね。

 

※ジョエル……「THE LAST OF US」の主人公。


大畠:そうそう。なんですけど、おじさんよりもこっちの方向でイメージが膨らんでいって、次に作ったのがこの「Collector」です。連鎖的に、自然発生的に飛び出していった感じですね。

 


原田:展開をしっかり練るんじゃなくて。

大畠:一体一体、毎回偶然に出来上がるっていう。

原田:取り掛かり方というのはどんな感じなんですか? 例えばイラスト書いたりとか、頭の中で設定固めてなのか、それともペンタブレットを握ってから出来ていくのか。

大畠:ええと……そうですね。行ったり来たりします。サバイバルシリーズすべてに共通するんですけど、例えばこの「Undertaker」だったら、墓のこの台座が土台から思い浮かんで。それでシチュエーションができてきて、じゃあ女の子にしようと思って顔をまず作る。顔を作りながらキャラクターの背景を考えて、そうすると顔ができたときに「こういう顔になった、じゃあこんな感じかな?」と服装が生まれてきて……みたいな流れです。

 



原田:なるほど。頭の中で物語を作りつつ、PCの画面で形を作りながらまとめていくんですね。

大畠:そんな感じで……そこから全部まとまって、面白くなくなることもあるんですよ(笑)。

原田黒須:(笑)

大畠:そういう時はまた壊して。この「Hunter」なんて、最初はそれこそバックパックを背負ってウサギを飼ってるみたいな、森から出てくるみたいなイメージだったんですよ、始めた時は。

 



原田黒須:へーっ!

大畠:で、なんかキャッチーじゃないなあと思いながらずっとモヤモヤ作って。この女子高生(Wind Rises)と同時進行で作って、それであっちをやってこっちをやってと切り替えるやり方にしたら、新鮮な目で「こうしたらどうだろう?」という感じで見られて。それでまた煮詰まったらもう片方を……みたいにやると、そのたび客観的になれて。同時進行が結構性に合ってるなと思って、そんなやり方はしてますね。

 


黒須:作品をパッと見て凄いなぁと思うのが、作品ひとつで大体「あ、この子はこういう感じの人なのかな……」っていうようにバックストーリー的なものが自然と浮かぶんですよね。意識的にやられてたりはするんですか?

大畠:ええと……。アート系の写真をよく見るんです。報道写真とかでもいいんですけど、色んな写真をよくネットサーフィンで眺めたり、図書館に行ってフォトグラフィックとか、雑誌を見たりします。そういうのをやってると、幾つか目を惹くものに出会うんですよ。写真って動かないし、一枚の絵で人の表情とか、その時の瞬間が切り取られる。それで訴えてくるものがあるのは何なんだろう、なんで目を惹くんだろうなって部分を、フィギュアに落とし込みたいというのは意識してます。

 


黒須:なるほど。

大畠:さらに、こちらは三次元なので。情報量ではこっちのほうが多いので、立体の中で色んな説明ができるんですよね。なので、なんかちょっとドラマ的にというか、見てくれる人が受け取りやすくなるのかもしれない……。

黒須:話を聞くとわかるんですが、現実にモノになってるのが凄いなあ。

原田:さっきの「Undertaker」なんですが、まず墓掘ってる台座の部分が浮かんで、顔ができて……というプロセスの話を聞きました。この子って、間違いなくクールな性格ですよね。あんまり笑わなそうだし、着てる服からも感じるドラマ性がある。でも大畠さん的には、最終形が頭の中にあって、そこを目指して作っているわけではない。あくまで作りながら考えていく。

大畠:そうですね。最終形が頭にできてるとモチベーションが続かないというか……。作っている間にも常に未知の領域を残しておかないと、なんというか全クリしたゲームをもう一回やるみたいな感じの「作業」になってしまうので。あの面、あのフィールド入ってなかったな、みたいなのをあえて残しておいたほうが、やっぱり作ってて楽しい。なので、完成の8割くらいまでは楽しいです。最後20%は仕上げなので辛い……。

原田:なるほど。原型師さんは皆さん仕上げを嫌がりますね。誰かやってくれる人がいたらやってほしいというのは(笑)。

大畠:後半は、厚みがちょっと薄いとか、分割をもっとこうしたいとか、そういう作業なので。本当に「作業」ですね。

原田:それで、そういうある意味出たとこ勝負な作り方をしているのに、さっき仰った写真のワンカットのドラマ性みたいなものがきちんとあるから凄いなって思うんですよ、単純に。

大畠:いやー……。でもそれはもう、皆さんの想像力が凄いんだと思います。

原田黒須:(笑)

大畠:でも本当思うんですけど、僕が意図したものと、見てくれる方が感じ取って「あっ、こうだろうな」って思うものって絶対合致はしないので。そこで感じ取ってもらえる振り幅っていうのがオリジナルフィギュアの一番楽しいところで、皆さんがそれぞれ自分で楽しんでくれるっていうのがいいなと思います。

原田:確かにそうですね。キャラクターフィギュアっていうのはもう背景が既にあって、それにどうおさめるかという仕事になるわけで。これは一から作っていくっていうのがね。

大畠:皆さんが見て、この子はこうだろうなって想像したのが、それが誰にも否定されないわけなんで。僕も詳しく語ったりしないですし……自分の中で、これはこうだなとかニヤニヤしながら考えてるのはあるんですけど(笑)、まあでもそれが正解というわけでもなくて、皆さんでそれぞれ感じてもらうのがいいですよね。

原田:そういう余白も魅力なんですよね。

黒須:ものが凄く自然体ですよね。「ポーズとってます!」というのがなくて、自然。でもそれで魅せてるのが凄いです。一番難しいんじゃないかと思うんですけど。

大畠:それは、それこそ藤本(圭紀)さんの言葉が常にあって。「素立ちこそ一番難しいんだ」みたいなことをよく言ってたんですよ、ことあるごとに。それをやっぱり聞いていて、「ああ、素立ちをやらなければ」って思って。

原田:うん、そうなんですよね。ダイナミックなポーズよりも、立ち姿の方が「魅せる難易度」って確実に高い。

大畠:藤本さんが僕のホントお手本なんで、すべてにおいて。

原田:おお、そうなんですか。

大畠:本当にそうなんですよ。オリジナルを作り始めたのもやっぱり藤本さんがきっかけだったし。藤本さんが会社にいなければ、多分作ってなかったですね。まずオリジナルフィギュアの存在をあんまり知らなかったので。

 

※流れとは関係ありませんが、今のところの藤本氏の最新作『みならいウィッチ〜THE GREAT PUMPKIN〜』。


原田:へえ……、いや、あの方はホント立派な方です!(笑)

大畠:すごい変な人ですけどねえ(笑)。立派ですね、すごく。

原田:こんなところで噂されてるとは知るまい(笑)。ダイナミックなポーズっていうのも角度とかつじつまとか、まとめ方でそれは大変で難しいとは思うんですけど、うわっすげえ、迫力! みたいな感動を呼ぶのはどちらかといえばやりやすいのかなと。ただ「立ってる状態で“魅力的に”見せる」ってのが難しいですよね。

大畠:それはまあでも……僕のは小物が多いからじゃないですかね、ただ(笑)。

原田:そんなことはないっ!

黒須:(笑)

原田:もちろん小物というか、そういう細かい設定にも凄く惹かれるんですけど。それだけでない何かが、たくさんの人を惹きつけているのは間違いないです。

 

※  ※  ※

 

第一回はこちら

第二回はこちら

 

第四回は、7月13日に公開いたします。

 

『Amazing Artist Collection Vol.7 大畠雅人: Survival:01 Killer』特設ページ

 

『豆魚雷のAmazing Artist Collection』特設サイト

 

大畠雅人さんTwitter


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