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Gecco「狼」スタチュー、頭部を徹底解剖。文字通り、頭の中を解説します。

            

 

こんにちは桑原です。

前回、狼スタチューのテストショットを用いて各部を徹底解説しました!

(豆ブログ:Gecco「狼」テストショット到着!ABSの体幹は強靭なり。)

 

「この素材が〜で、こことここがああなって〜」みたいな話、つまりメイキング。

 

しかし!!

 

頭部の解説がありませんでした!人形は顔が命なのに!

なぜかというと、頭の部分だけでかなり手間がかかっているんですね。

全部まとめて記事にすると、情報量がすさまじいことにあと、記事の本数も増えるとなんか華やかでしょ。

 

ということで、今日は狼の頭の部分だけ解説しちゃいます!

 

Geccoさんから送られてきた解説メール、さすが超専門的。

 

わからん!!!

 

ということで、通話で解説して頂きました、かたじけない。

なので、今回は会話形式になっております。

_______________________

 

桑原:Geccoさん!なんかまた大変そうなことしてますね!そこまでは分かりました!

 

Gecco:それはほとんど分かってないですね!!ご説明させていただきますと、今回ヘッドだけで、別のチームを組んでやらせて頂いております。

 

桑原:別チーム...?!人件費...あがが...

 

Gecco:普段Geccoのアイテムでは、眼球のみABSの別パーツで別々に塗装して、組み立てという手順でやっています。

 

桑原:ええ、そうですよね。ということはつまり、今回は違うと。

 

Gecco:そうなんですよ、今回は違うんです。今まで立体化したキャラクターと比べると、彫りが浅い顔立ちで、目も細い。眼球を別パーツにしてしまうと違和感があるんです。

 

(普段は、目の部分が空洞になっていて、内側から眼球部のパーツを嵌める構造になっています。分解するとホラーです。)

 

桑原:ほうほう...というと、目の部分塗るのめちゃくちゃ大変では?

 

Gecco:ええ、おっしゃる通りです。普段は眼球部分はタンポ印刷」などを使うのですが、今回は頭部ほぼ全部ハンドペイントで仕上げないといけません。

 

※タンポ印刷…シリコンパッドで、印刷対象にスタンプのように転写する技術。シリコンパッドを使うので、曲面とかにも使うことが出来る。パッド印刷ともいう。

 

桑原:すごく手間がかかりますね...。

 

このテイストを量産するんだから、その苦労たるや...

 

Gecco:眼球部分の塗装の他にも、頬の古傷や右目の周りの白い痣、狼のヘッドは彩色が難しいんですよね。

 

桑原:でも、それだと塗るのが難しいってお話であって、メールに書いていた、”ややこしいことをやっている”っていうのはまた別ですよね?

 

Gecco:そうですね。ただし、ほぼハンドペイントで仕上げなければならない。だからこそ、いつも以上に成型を安定させなければならない。という話になってくるんです。

 

桑原:おーーなるほど。なんとなく流れは分かってきましたよ!

 

Gecco:PVCでヘッドを作るんですが、PVCで大きい塊を成形すると、どうしても「ヒケ」が発生してしまうんですね。

 

※ヒケ…成型時に生じる収縮によって出来る、ヘコみのこと。

 

桑原:ヒケかぁ〜嫌ですね〜〜。

 

Gecco:そこで「ヒケ」対策として、パーツを分割してパーツの厚みを薄くしたり、スライド成形を使って肉抜きしたりするんです。ですが、それではパーツが変形する可能性が出てきます。パーツが変形すると、用意しているマスク型やタンポ印刷が、ズレてしまう可能性も高くなってきます。

 

(Geccoさんは、総生産数の1.5倍から2倍の数を多めに作って、問題アリor問題がありそうなパーツは除外しているとのこと。結構な数を捨てちゃうってことか...!)

 

桑原:ぐうぅ...手詰まり感あるんですけど!!

 

Gecco:なので、分割や肉抜きはせず、インサート成型」をすることにしました!

 

※インサート成型…パーツを成形する際に、他の成形物を入れて一緒に成形する方法。つまり、成型済パーツと、新たに成形するパーツが合体する。

 

桑原:インサート成型ってあんまり詳しくないんですけど、別のパーツと合体する的なヤツですよね?

 

 

Gecco:そうですね、レッドピラミッドシングの時も、胴体にABS製の骨格を入れてインサート成型していましたね。あの時は体積が大きかったので、ABSでしたが、今回はPVCにPVCを入れてインサート成型します。

 

桑原:な、なるほど...!なぜ素材を使い分けるか、分からないんですけど、そこはどういう理由で?

 

Gecco:同じ素材の方が、成型の精度が高くなります。同じ素材なので、成型後は一体化してしまいます。なので、見た目はもう分からなくなってしまいますね。

 

桑原:製品では分からない試行錯誤ですね。

 

Gecco:それでですね。そのインサート成型に関する部分もちょっとややこしいことをしていまして...。

 

桑原:また難しい話ですか?!

 

Gecco:すみません。もうちょっと頑張れますか?

 

桑原:御意。

 

Gecco:成形を安定させる為にはですね、パーツの厚みを均一にするのが理想的なんです。

 

桑原:均一だと、PVCが固まるまでの時間とかも理論上同じってことになりますもんね。ここまで分かった。

 

Gecco:そこで、赤尾さんの原型をスキャンして、デジタル化を行いました。

 

 

桑原:出た!未来の技!レイカの時にも、「タナベさん原型をスキャンして、スーツのテクスチャを貼り付ける」ってのやってまし

たよね。

 

えらい手間がかかってるんです。GANTZ:O/ レイカ 1/6スケール スタチュー

 

Gecco:そのデータを基に、肉厚を計算しまして、内部パーツを設計しました。

 

桑原:今、フィギュアの話をしてるんですよね?こんなに色々やることがあるのか...。その内部パーツってのが、先ほど仰っていたPVC同士で一体化するってやつですよね?

 

 

Gecco:そうですそうです。

 

桑原:なんかあれっすね。めちゃくちゃアホな発言で申し訳ないんですけど、昔流行った脳内メーカーっぽいですね。笑

 

忍びはまぁ嘘つくもんな...。愛が根底にあるのアツいですね。

 

桑原:脳内メーカーのくだり、笑ってんの俺だけですかね。でも、これ思ったんですけど、内部パーツも成形するってことは、成型の手間だけ考えても二倍じゃないですか?

 

Gecco:その通りです。成形だけで二倍の手間がかかります。

 

(サポート用内部パーツを成形後、内部パーツをインサートし、頭部を成形。パーツ数もそうだし、工程も増える。)

 

桑原:そのうえ、ヘッドは別のチーム組んでるんですもんね?めちゃくちゃ単純に考えたら、頭部だけで4倍の手間みたいなことじゃないですか?

 

Gecco:まぁ、ちょと誇張気味ではありますが、あながち間違いでもないですね。いつにも増して手間がかかっているってのは間違いないです。

 

桑原:全体的なボリュームもいつも以上とはいえ、価格もいつもより高めなのには、こういったワケがあったんですね。納得です。いやーこういう内容は発信しないと絶対分からないですもんねぇ。

 

Gecco:ヘッドだけで高額になるってことでもないのですが、全身のパーツ数や彩色工程数、金型面数なども桁違いに増えていまして…。そういったこともキッチリとお伝えしないといけないなということで、今回ご相談させて頂いております。笑

 

桑原:ちゃんとブログに書きますね!!脳内メーカーの意味、ブログで分かりますから!

_______________________

 

ということで、この記事を作成した次第であります。

 

前回の「ABS製内部骨格」に引き続き、皆さんのお手元に届く製品では全く見えなくなる「インサート成型による頭部の秘密」

スタチューを、パッと見た時に感じる凄さというのは、やはり

 

「ポージング」

「ディテールの細かさ」

「塗装の精密さ」

 

あたりに起因するものがほとんどだと思います。

 

「ポージング」が素晴らしくとも、夏場の暑さにヘタってしまっては元も子もありません。

それを防ぎ、支えているのは「内部骨格」です。

素晴らしい原型があることで「ディテールの細かさ」は生まれますが、量産においてそれを成立させているのは、素材の選定や、分割による工夫も大きい。

ペインターの方の塗装を再現する為に、分割したり、パーツの精度を高めたり、別チームを組んでみたり、量産品における「塗装の精密さ」は、生産における試行錯誤があってこそ。

 

そのほとんどが、現物を手に取った時に確認する事が出来ないものですが、

 

「そういえばそんなこと言ってたなぁ。」

 

と、思い返して頂けると、手にした時の感動がより一層味わい深いものになるかもしれません。

あと、僕個人として嬉しいです!

 

ご予約はこちらからどうぞ!

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE/ 狼 1/6スケール スタチュー

 

 

それでは本日はこのへんで!!

「狼スタチュー十の質問」なる企画も進行中ですので、どうぞよろしくお願い致します!!

 

∴桑原∴

 

こんな感じが俺個人の印象です。

 

 


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