【THE LAST OF US × MAMEGYORAI】渾身の一作、「ジョエル&エリー 1/9スケール フィギュア」
- 2020.10.03 Saturday
- THE LAST OF US
- 16:40
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- by 豆魚雷
◎特A級タイトルへの挑戦
「ゲームが好き」
という方ならばプレイまでは至らずとも、タイトルこそ耳にしたことがあるであろう、言わずもがなの有名タイトル、
『THE LAST OF US』
2013年にPS3にて発売。
そうか、この時はPS3だったのか、PS5発売目前なことを考えると、時の流れが速すぎる...。
発売前から注目を集めていたこともあり、発売後は魅力が瞬く間に広まり、翌年にはPS4でリマスター版が発売。
僕はリマスター版でプレイしたので、もう6年も前になるのか...時の流れが...。
リマスター版も含め、累計1700万本以上の売上を記録。
そんなビッグタイトルの『THE LAST OF US』
知名度や人気に反して、立体物がほとんど出ていないんです。
(予約特典とダークホースから出たスタチュー、あとは「ねんどろいど」くらいだと思います。)
ならば!!!
豆魚雷で作ろうじゃないか!!!
「好きだから作る」
「欲しいから作る」
と、まぁ、いつも通りと言ったら聞こえが悪いですが、いつも通りの動機なワケです。
◎純度100%の造形美
言いたいことが山ほどあるのですが、百聞は一見に如かず。
理屈をこねくり回す前に、まずは物体の持つパワーを感じて頂きたい!
この商品の見所は、ド直球に造形の素晴らしさです。
可動を排したスタチューだからこそ生まれる破綻の無い造形美。
『THE LAST OF US』における魅力は、ストーリーにおける人間ドラマ。
そして、キャラクターが抱く複雑な感情を、精緻に表現したモデリングだと思っています。
ならばこそ、”似ている”という価値基準は当たり前に越えていき、繊細な表情を再現。
このスタチューからは、キャラクターの背景や心情までをも感じ取って頂けるのではないかと思います。
この2人が揃った構図、お察しの方もいらっしゃると思いますが、
PS4でリリースされた「HDリマスタード」のビジュアルを彷彿とさせるものになっています。
ご覧の通り、スタチューはジョエルとエリーの2人で構成されているのですが、
実は、2つのフィギュアで1セットという構造になっています。
なんだかお得な気がしませんか?
加えて、台座の部分がパズルのピースのように組み合わせることが可能になっており、
「バディ状態でのディスプレイ」
「それぞれ単独でのディスプレイ」
と、ディスプレイの幅が広がるアイテムになっているのです。
それぞれ単独のスタチューとして成立していますので、一人ずつ順を追ってご紹介したいと思います。
まずはエリーから。
脚を広げスッと立つ姿は力強く、凜としており、過酷な環境下で生きる強さを感じさせます。
HDリマスタード版ビジュアルに準拠した部分ではあるのですが、
エリーがライフルを持っていることに胸がアツくなりませんか...?!
2人の信頼関係を表すキーアイテムだと思います。
密度感があり、複数の部品で構成させている機械としての説得力を持ったライフルの造形。
「ただ持っている」「支えている」
ではなく、神経を尖らせ、常に緊張感を持った程よい力加減を感じさせる指先の表情にも注目です。
人物のフィギュアであれば、まず注目する場所はやはり顔。
また、既存のキャラクターの立体化である為、受け手の判断材料として
”似ているかどうか”
という価値基準も加わってきます。
いかがでしょうか。
緊張感や憂いを漂わせつつ、芯のある強さを感じさせる表情。
同時に、不安や歳相応の幼さといった部分が滲んでいる雰囲気。
エリーというキャラクターが持つ要素を、巧みに表現した絶妙な造形に仕上がっています。
僕自身が『THE LAST OF US』というタイトルが好きである為、キャラクターの性格や背景は当然知っています。
知っているが故に、
「先入観からバックボーンを汲み取ってしまっているのではないか?」
「ニュートラルな視点で見ることが出来ていないのではないか?」
そんな自問自答をしてみましたが、超絶技巧による造形の繊細さ。
タイトルやエリーというキャラクターを知らずとも、
「緊張感」「憂い」「強さ」「不安」「幼さ」
といった前述の要素を、その見た目のみで感じ取ることが出来るのではないでしょうか。
人体の構造は、あらゆる筋肉が連動し、流れるように動くもの。
自分の身体は自然に動かせるが、アクションフィギュアでポージングを付けてみると、これがなかなかどうして難しい。
しかし、作り手が「最も美しい状態」を目指し作り上げたスタチューにおいて、そんな苦労は無縁です。
形を作り上げることを生業とするプロフェッショナルによって作られたポージングやプロポーションは破綻が無く、360度どこから眺めても美しい。
どこを見ても粗が見つかるどころか、新たな発見や情報が引き出される。
優れた立体物でのみ楽しむことが出来る、贅沢な体験といえるでしょう。
リュックには汚れや破れなどダメージ表現が施され、過酷な旅路を彷彿とさせます。
同時に、缶バッジやキーホルダーなど、子供らしさを感じさせる部分が散見され、エリーのユーモラスな一面や朗らかな性格によってジョエルの心が少しずつほぐれていった一幕が頭に過ぎります。
台座は水際をイメージしたものになっており、一見すると美しい色合いながら、
「エリーは泳げない」
ということを思い出した途端、緊張感のあるロケーションに。
常に死や危険と隣り合わせである作品の雰囲気を、見事に醸し出しています。
また、足元にはレンガとランタンを配置。
なにかと活躍するレンガがさりげなく配置されているのも、作品への理解度や愛情があるからこそ成せる技。
ランタンがあしらわれた理由は、
このように語られており、作品やキャラクターへの愛と理解度があるからこそのアプローチです。
ちなみに、こちらのメイキングは
「THE LAST OF US × MAMEGYORAI 特設サイト」
こちらの特設サイトにて語られているものから抜粋したものですので、是非アクセスしてみてください!
続いてはジョエル。
シンプルに身体の大きさが違うということもありますが、エリーよりもどっしりと構え、頼もしさを感じる佇まい。
手に持つのはリボルバー。
比較的シンプルな構造の銃で、ジョエルの質実剛健な性質を暗喩しているかのようです。
そんな考えが浮かぶと対照的に頭に浮かぶことがあります。
ライフルの構造の複雑さと、それを持つエリーの内面。
多感な時期である年齢や境遇から察するに、エリーの内面は一言では表せない複雑なものでしょう。
それぞれの持つアイテムにも、キャラクター性がリンクしているのかもしれないなぁ、と思いを馳せました。
プレイ中は何の気なしに見ていた部分も、立体物となり目の前でしみじみ眺めると、新たな気付きや発想が浮かぶものです。
力強さやたくましさといった、ヒロイックな印象を受ける精悍な表情。
同時に、多くを失った悲哀や限りなく父性に近い、エリーを守るという意志。
あらゆる感情を汲み取れる、壮年の男に相応しい奥行きのある表情になっています。
また、彫りの深い顔立ちは実際に影が入る事でリアリティが生まれ、造型的な美しさや凄みが漂います。
実物を見ると、角度によって雰囲気が変わる複雑さもあり、実物を是非ご覧になっていただきたいです。
前を見つめるエリーと違い、横を向いた姿である為、警戒する雰囲気も。
背中に頼もしさを感じるのは、体格だけではなく、その違いが生む熟練の空気感を纏っているからではないでしょうか。
バックパックは、エリーのものとはうって変わって遊びの無いデザイン。
ほつれや破れている部分もエリーのそれより多く、テープによる補修の跡も多く見られます。
物資が限られている世界だからこそ、長く使っているものはほころび、壊れていく。
表面が毛羽立ったようなテクスチャを施し、使い古された様子や素材感までをも表現。
この箇所だけではないのですが、ダメージ表現などは、異なったプロセスを組み合わせることで、造形に奥行きを与えています。
多少専門的な内容を含みますので、製作秘話として後日発表しようと思います。
ご覧になって頂けると嬉しいです!
台座は、崩れた煉瓦の壁と板きれの蓋で隠し道をイメージ。
ゲーム序盤のシーケンスを彷彿とさせるほか、道なき道を進んでいくゲーム全体のストーリーを暗示しているかのようなテイストです。
裏側を覗き込むと、ハサミの片割れと弾薬があしらわれ、ジオラマ的なエッセンスと同時にファンに刺さる芸コマポイントを両立。
よく観察すると、こちら側は壁や床の残骸があることに気付かされます。
つまり、
「ジョエルがいる側は屋外、裏側は屋内」
という環境の違いを、ほんの僅かな部分で表現。
全方位を見回せる立体物だからこその構図を自然に盛り込むセンスの良さ。
思わずため息が漏れ出てしまいます。
確かな造形の技術と、作品への愛情と理解度によって、それぞれがクオリティの高いスタチューとして成立しているのを感じて頂けたでしょうか?
定価が38500円、予約価格が36520円。
金額としては決して安くないアイテムではありますが、その金額に見合った価値があるアイテムである自信と誇りがございますので、何卒宜しくお願い致します。
ご予約はコチラからどうぞ!
THE LAST OF US/ ジョエル&エリー 1/9スケール フィギュア
∴桑原∴
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